消防団の活動内容 メリットとデメリット 

防災
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消防団とは

消防組織法第1条に『消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減することを任務する。』と定められており、消防団は消防本部や消防署と同様に、市町村に設置されているものです。地域における消防防災のリーダーとして、平時・非常時を問わずその地域に密着し、住民の安全を守る役割を担っています。

台風で雨漏りが酷い時に助けてもらったわ!しっかりした消防団員さんだったから安心したわ!

ボランティアで頑張ってくれて助かるんじゃが、消防団活動は色々と難しい問題もあるみたいじゃぞ…。

消防団の活動・訓練・行事

消防団に加入すると火災等の災害時以外にも色々な活動に参加しなくてはなりません。

春季火災予防運動・秋季火災予防運動における警戒活動

毎年全国一斉に春季火災予防運動(3月1日~3月7日まで)、秋季火災予防運動(11月9日~11月15日まで)が実施され、地域防災意識向上に努めるため、消防団は『広報活動・巡視』『器具点検』『水利点検』を行っています。

広報活動

赤色灯を点灯した消防車両で管轄地域を巡視し、同時に『火の用心』を呼びかけます。

器具点検

可搬ポンプや発電機の作業点検を行い、いつ起こるか分からない災害に備えます。

水利点検

防火水槽や消火栓、消火栓ボックス内の資機材を確認します。初期消火は自主防災組織である自治会等が行うこともあり、消火栓ボックス内の資機材に不足や劣化がないかを点検しています。また、現在は地下埋設型の防火水槽が主流でありますが、田舎などでは地上式防火水槽が設置されている地域も少なくありません。地上式防火水槽は便利さもありますが、子ども等が転落する危険性もあるため、転落防止柵に劣化や破損がないか定期的に点検する必要があります。

活動時間

地域によって異なりますが、20時から22時までは詰所に待機しており、『広報活動・巡視』の終了後は詰所で酒を飲んでいる分団も多いようです。なお、新入団員が準備や片付けをするため、分団長や幹部が帰宅するまでは家に帰れない風習が残っている分団もあるようである。

活動回数

1週間の活動のうち2回~3回(分団の団員数にもよります。)

活動手当

春季・秋季火災予防運動は出動手当の対象外であるため、活動に参加しても報酬を得られる訳ではありません。(活動手当の対象要件は、自治体が内規・マニュアルで決めているみたいです。)

地域の防災のため巡視や広報で周ってくれてるのね。

聞こえは良いんじゃがの…。消防団員が詰所で酒を飲んで、騒いでるのを見ると、あまり良い気持ちはせんのじゃよ…。

市町村独自で定めた『消防の日』の警戒活動

市町村で異なりますが、毎月〇〇日(月2回程度)を『消防の日』と定め、地域防災意識の向上に努めるため、『広報活動・巡視』『器具点検』を行っています。活動内容、活動時間は前述した『春季・秋季火災予防運動』と同様です。

活動回数

月1回(2日とも全団員を招集する分団もあります。)

活動手当

春季・秋季火災予防運動と同様に出動手当の対象外であるため、活動に参加しても報酬を得られる訳ではありません。(活動手当の対象要件は、自治体が内規・マニュアルで決めているみたいです。)

広報活動後は詰所で宴会しており、騒がしくて注意したら『地域を守っている!文句を言われる筋合いはない!』と言われたんじゃ…。

それは酷い!ちゃんとした人もいると思うけど、消防団の印象が悪くなるわね…。

年末警戒活動

年末になると各地で火災が多く発生し、1年間で最も多忙な時期でもあり、火の取扱いを怠る場合があることから、火災予防の徹底を図るとともに出動体制を強化し、併せて火災の未然防止と早期発見を目的として行われている活動です。活動内容は前述した『春季・秋季火災予防運動』と同様です。

活動期間

地域によって異なりますが、12月27日から29日の3日間にかけて実施されることが多くあります。活動期間ではない日(12月30日から1月3日)も団員を招集し、警戒活動といった大儀のもと、詰所で宴会を行っている分団もあるため注意が必要です。

活動時間

地域によって異なりますが、20時から23時までは詰所に待機しており、『広報活動・巡視』の終了後は詰所で酒を飲んでいる分団も多いようです。なお、新入団員が準備や片付けをするため、分団長や幹部が帰宅するまでは家に帰れない風習が残っている分団もあるようである。

活動回数

3日間のうち最低1日(3日とも全団員を招集する分団もあります。)

活動手当

前述した春季・秋季火災予防運動や『消防の日』の警戒活動とは異なり、年末警戒活動は活動手当の支給対象になることが多いです。(活動手当の対象要件は自治体が内規・マニュアルで決めています。)

この活動手当は団員には支給されず、分団に支給されます。分団の運営費・活動費(宴会費用)に使用されることが多いため、団員自身には一銭も支払われない分団もあるようです。

定期訓練

災害時に対応できるよう、消防団員は定期的に訓練を行います。

訓練の回数

基本的には年に3回~4回程度であり、夏季・秋季・春季の定期訓練や、新分団長や新入団員向けの訓練も実施されています。訓練回数や内容は、消防団や自治体が決めているため、所属する消防団で異なることになります。定期訓練は日曜日に実施される傾向にあるため、消防団員は休日返上での参加が余技なくされます。

訓練内容

訓練は、自治体の担当者と消防署員、消防団の幹部が計画します。礼式訓練・ホース延長訓練・分列行進や報告要領、座学(DVD視聴や消防署員の講義)なども行われます。消防署員が教官として指導にあたるため、礼式訓練一つにおいても体力的な負担になることがあります。

また、ラッパ隊を組織する消防団においては、月1回程度のラッパ手訓練も計画されているため、ラッパ手に任命された消防団員は通常の訓練とは別にラッパ隊の訓練への参加を余儀なくされる。

活動手当

消防団の訓練は活動手当の支給対象となります。しかし、この活動手当は団員には支給されず、分団に支給されます。分団の運営費・活動費(宴会費用)に使用されることが多いため、団員自身には一銭も支払われない分団もあるようです。

防災のために訓練していることは素晴らしいわ!

火災想定訓練

訓練の回数

年1回程度であるが、消防団や自治体で決めているため、所属する消防団で異なります。

訓練の内容

指令(サイレン吹鳴)、消防車両の出動、無線機を使用した伝達、可搬ポンプポンプ車を水利部署し、ホース延長・結合、放水までを実際の火災を想定して行う実践訓練である。

活動手当

消防団の訓練は活動手当の支給対象となります。しかし、この活動手当は団員には支給されず、分団に支給されます。分団の運営費・活動費(宴会費用)に使用されることが多いため、団員自身には一銭も支払われない分団もあるようです。

本格的な訓練もするのね!

わしも定期訓練・火災想定訓練は必要じゃと思うぞ。

しかしな、ポッ、ポンプ操法大会だけは納得いかんのじゃ。

どうしたの?落ち着いて!ポンプ操法って何??

消防ポンプ操法大会

消防ポンプ操法は、訓練・大会ともに消防団員の負担が非常に大きく、開催の意義が問われています。

夫が選手候補者になることを考えたら、怖いわ…。

消防団活動は、家庭を犠牲にしてすることなのかしら…。

そうなんじゃ…。現代社会に相応しくない、悪しき風習なんじゃ。

他にも、出初式への参加、火災時の出動、災害時(台風や大雨警報)の警戒・待機、幹部(団長、副団長、分団長)は定例会にも参加しなくてはなりません。自治会等の要請により無償ボランティアを行うこともあります。

活動手当と報酬

活動手当

消防団長の命令(指揮)のもと行った消防団活動に対し、その対価として支払われます。基本的な流れとしては、消防団活動後に『活動報告書』により出動人員を報告し、自治体が支給の可否を決定します。自主訓練等を行う場合、活動手当の支給の可否は、事前に自治体の消防担当者に問い合わせをした方が良いです。

活動の内容によっては、支給対象にならない消防団活動がある。
1回の活動で3,500円~4,500円が相場(自治体が条例等で定めてます。)

報酬

報酬についても自治体の条例等により定められています。(下記は参考)

団長 年額 83,000円
副団長 年額 69,000円
分団長 年額 50,000円
副分団長 年額 45,000円
部長及び班長 年額 37,500円
その他団員 年額 36,500円

報酬も個人口座へ支給するのではなく、分団口座へ支給することが多いため、受け取り忘れがないよう気を付けてください。

消防団活動は無償ボランティアに近いわね。

互助会や消防団員福祉共済制度

互助会

互助会を設置している消防団も多く、『弔慰金』『見舞金』『結婚祝い金』の支給を受けることが可能な場合があります。互助会規定等で支給範囲を定めているため、該当する方は必ず申請してください。

福祉共済制度

消防団員が7日以上入院した場合 1日1,500円
死亡した場合 最高100万円、公務の場合は2,300万円
重度障害の状態になった場合 最高100万円、公務の場合は2,300万円

疾病・怪我等で入院する場合、消防団活動外でも対象となるため、忘れずに申請してください。申請には医師の証明(診断書等)が必要となりますので、詳しくは自治体の担当者に問い合わせてみると良いでしょう。なお、福祉共済の共済金支給には2か月~3か月程度の日数を要します。

消防団に加入するメリット・デメリット

メリット

・タダ酒が飲める ・僅かだが報酬が貰える
・顔見知りが増える ・消防の知識が増える

デメリット

・休日返上の訓練や行事 消防ポンプ操法の選手になる危険性
・行事や訓練の後は、必ず懇親会・慰労会 ・会食や宴会が嫌いなら、行事が億劫
分団の雰囲気が苦手なら、活動が地獄 ・上下関係に厳しい(体育会系のノリ)
一度入ったら簡単には辞められない ・本部に招集されたら、消防団30年コース
消防団活動は、性格的な部分で向き不向きがあります。また、分団の特色もあるため、雰囲気が合わなければ消防団活動を継続することはできません。

そうね。無理して消防団に入る必要はないわよ。地域貢献は他の形でもできるわ。

しっかりと消防団活動を理解して加入するべきじゃな。

それとな、消防ポンプ操法大会だけは廃止にしたいんじゃ!!!

今回は消防団活動について記事を書きました。消防団に入って後悔した人が私の近くにいます。勧誘されている方や加入を検討している方の参考になればと思いました。もちろん、地域防災が重要であることも分かっていますが、消防団活動で人生を変える必要はありません。貴方が消防団活動を知ることができ、貴方にとって少しでも参考になる記事になれば幸いです。

コメント

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